IB・PYPだより

【IB・PYPだより】vol.5 大人の登園日(5月)

園長主催の「大人の登園日」は、保護者や地域の大人たちが、子どもと共に幼稚園で過ごしながら学び合う時間です。
今日は、PYPコーディネーターの視点から、その様子をお伝えしたいと思います。

4月の「大人の登園日」では、LEGOの片付けを行いました。
そして今回、5月は「草花のたたき染め」を楽しみました。

よく晴れた土曜日の朝。
遊戯室で簡単な自己紹介をしたあと、参加者みんなで園庭へ出て、草花を摘みに行きました。同伴の子どもたちは、遊びながら思い思いに好きな花や葉を集めます。卒園児さんの姿もあり、懐かしくあたたかな時間となりました。

当日がお誕生日だった年少さんは、小さな木槌を持ち、辛抱強く葉をトントンと叩いていました。時折こちらと目を合わせて、にっこりと微笑んでくれます。

「お花を取りに行く」と言いながら、途中でひと遊びして戻ってくる子どもたちも、気づけばみんな真剣な表情で葉や花と向き合っていました。

最後まで「まだやりたい」と、自分の作品づくりを続けていた子どもに、「頑張ったね」というと、小さな声でこう教えてくれました。

「だって、挑戦する人だから。」

その言葉に、のぞみ幼稚園で大切にしている学びの姿が、そのまま表れているように感じました。

大人たちもまた、草花を叩きながら、ゆったりとおしゃべりを楽しみました。
手を動かしながら、五感を使って過ごす時間は、自然と心をほぐしてくれます。

普段の中門や送迎時の挨拶や、担任との連絡帳、懇談などとはまた違い、「同じ場所で、同じことをしながら過ごす時間」には、独特の安心感があります。話すことがなくても、一緒にその場にいること自体がコミュニケーションになるのだと感じます。子どもたちもそうです。

「大人の登園日」は、その名の通り、大人が主役の日です。
普段の幼稚園はもちろん子どもたちが主役ですが、この日ばかりは、子どもたちが“同伴者”になります。

そして子どもたちは、その“同伴者”という役割を自然に受け入れ、大人に寄り添ってくれます。大人たちが安心して楽しむ姿を、実はそっと支えてくれているようにも感じます。

PYPでは、子どもだけでなく、その土台となる教職員・保護者・地域を含めた「学習者コミュニティ」を大切にしています。
のぞみ幼稚園の自然豊かで自由な教育・保育を、IB/PYPの探究の視点を通して見つめ直していくことは、子どもだけでなく、大人自身の成長にもつながっています。

毎日、交わされる挨拶。
担任、副担任、サポートの先生方、専門講師との関わり。
園庭や預かり保育で生まれる異年齢のつながり。

そうした日々の積み重ねの中で、子どもたちは人との信頼関係を築き、「安心・安全」の土台の上で、「挑戦する人」や「思いやりのある人」へと育っていきます。

だからこそ、大人もまた、変化や成長をあきらめず、共に学び続ける姿を子どもたちに見せていくことが大切なのだと思います。

園長が始めたこの「大人の登園日」に、私はコーディネーターとしての引継ぎ期間だった2024年末から参加しています。

日本の教育文化の中では、保護者同士や園・学校との関係づくりが難しくなっている側面もあります。だからこそ、この時間は、子どもたちを真ん中に置きながら、大人同士が自然につながっていくための、とても大切な場だと感じています。

保護者会やPTAのあり方が変化している今だからこそ、のぞみ幼稚園らしい「学習者コミュニティ」を、丁寧に育てていきたいと思います。

子どもたちが安心して、のびのびと育っていくための土台を、大人たちもまた、一緒につくっていけたらと願っています。

遊戯室でおとなも子どもも全集中!

腕を上げあげた向原園長、作品をもってご満悦