IB・PYPだより

【IB/PYPだより】vol.12ー好奇心から広がる、それぞれの表現ー

~9月の探究「私たちはどのように自分を表現するのか」~

2学期、全学年がPOI(探究プログラム)のテーマ「私たちはどのように自分を表現するのか」に挑戦しています。

幼児期の子どもたちは、遊びを通して自分の思いや考えを表します。

絵を描く、ものをつくる、音を鳴らす、歌う、友達と動きを合わせる、言葉や表情で気持ちを伝える――そのすべてが、子どもたちにとって大切な「表現」です。

10月の運動会を控え、園では友達と身体を動かしたり、音楽に合わせたり、季節の変化を感じながら制作を楽しんだりする姿が見られます。

こうした日々の遊びや行事を探究の入り口として、学年ごとに次のような育ちを見つめています。

年少では、同じ素材や活動に出会っても、表し方は一人ひとり違うことに気づく「表現の多様性」を大切にしています。

年中では、自分の考えや気持ちを言葉や動きで表し、友達に伝える経験を重ねています。

年長では、自分が表現するだけでなく、友達の言葉や動き、表情に込められた思いを受け取り、感じ取る力を育んでいます。

英語で出会う「自然の力」

9月の英語レッスンでは、「Power of Nature(自然の力)」をテーマに、猛暑、台風、大雨、地震、火山などについて学んでいます。

英語の言葉に触れるだけではなく、風の強さを身体で表したり、台風の場面を役になりきって演じたり、本やカップ、ペットボトルなどを使って建物をつくり、揺れによる影響を確かめたりしています。

また、“Drop, Cover, Hold”など、安全を守るための行動についても、遊びや動きを通して学んでいます。

地震の学習では、子どもたちが身近なものを組み合わせて建物をつくり、「どうしたら倒れにくくなるかな」と試行錯誤しました。友達のつくり方を見てヒントを得たり、背の高い建物と低い建物を比べたりしながら、予想し、試し、つくり直す姿が見られました。

火山の学習では、写真や実験を見てすぐに「火山だ!」と気づく子、火山になりきって身体を動かす子、「溶岩は熱いよ」「マグマだ!!」と知っていることを伝える子など、学年や一人ひとりの経験によって、さまざまな反応がありました。

「振ってみて!」「もう一回!」という声も聞かれ、目の前で起こる変化への強い好奇心が感じられました。

レッスンプランは、子どもたちの学びへ向かうための見通しです。

しかし、子どもの反応や疑問は、いつも計画どおりとは限りません。思いがけない言葉や行動を受け止め、「何に気づいたのだろう」「何を確かめたいのだろう」と考えながら、次の問いや活動へつなげていくことを大切にしています。

1学期の経験を、次の探究へ

2学期の探究には、1学期に培った経験が生かされています。

自然や生き物を観察したこと、不思議に思ったことを調べたこと、友達と考えを伝え合ったこと、試して振り返ったこと。

子どもたちは、これまで身につけてきた「学ぶためのスキル」を使いながら、好奇心を新しいアイデアへと膨らませています。

先生たちも、すぐに答えを教えたり、活動を助けすぎたりするのではなく、子どもの言葉、表情、動き、友達との関わりを丁寧に見取ることを大切にしています。「見守る」「待つ」「問い返す」といった、探究を支える力も、日々の実践を通して着実に育っています。

今学期、このテーマで全学年が共通して目指しているIBの学習者像の1つは、「挑戦する人」です。

英語では Risk-taker(リスクテイカー) と表現されます。

ここでいうRisk-takerとは、危険を顧みずに行動する人という意味ではありません。

初めてのことや、答えがすぐには分からないことにも勇気をもって向き合い、自分で考えたり、友達と力を合わせたりしながら挑戦する人のことです。うまくいかなかったときにも、方法を変えたり、もう一度試したりする姿も「挑戦する人」の大切な姿です。

思いどおりにならなくても、もう一度試してみること。自分の考えや気持ちを表してみること。友達の表現に心を向けてみること。子どもたち一人ひとりの小さな挑戦を大切にしながら、表現の世界をさらに広げていきたいと思います。

そして、表現することは子どもたちだけのものではありません。私たち大人も、自分の思いや考えを言葉や行動に表し、互いの違いを楽しみながら、どんどん自己表現していきましょう。

Go for it!!

 

英語の地震についてのレッスンで、本やカップ、ペットボトルなどを使って建物をつくり、揺れによる影響を確かめている子どもたちの様子です。