IB・PYPだより
- 2026.07.15
- IB・PYPだより
【IB/PYPだより】vol.8 「問い」が学びをつくる ~前編~
~6・7月ユニットから見えた探究の深まり~
「どうしてだろう?」という子どもの小さなつぶやきから始まる探究。その問いは、観察や対話、遊び、表現へと広がり、教科を越えて概念理解や『学び方』を育んでいます。今回は、6・7月ユニットで見られた子どもたちの探究の深まりをご紹介します。
4・5月には、それぞれの学年で新しい生活や友達との関わりをテーマに探究を進めてきました。
そして6・7月。
子どもたちの探究は、人との関わりからさらに広がり、「自然」「生き物」「身の回りの仕組み」へと向かいました。
毎日見ていたトマトやひまわり。
園庭で見つけた虫たち。
雨の日や晴れの日の違い。
風、水、音、磁石、重力…。
子どもたちは生活の中で出会う様々な出来事を、「どうしてだろう?」という問いから探究してきました。

「答え」を覚えるのではなく、「考え方」を育てる
IB PYPでは、「何を教えたか」ではなく、「子どもがどのように学んだか」
を大切にしています。
先生がすぐに答えを伝えるのではなく、
「どう思う?」「どうしてそう考えたの?」「確かめる方法はあるかな?」
そんな問い掛けを通して、子ども自身が考え始めます。
観察し、比べ、試し、友達と話し合い、もう一度考える。
この繰り返しが、幼児期の探究です。
概念理解は教科を越えて育っています
例えば、「変化」という概念。
トマトが赤くなることも変化。
ひまわりが大きくなることも変化。
ダンゴムシが脱皮することも変化。
自分の身体が成長することも変化。
英語では Push・Pull や Float・Sink を体験しながら、「物はどう動くのだろう」と考えました。
リトミックでは身体を動かしながら、「どうしたらできるようになるかな」と試しました。
制作活動では、自然を見て感じたことを色や形で表現しました。
数学では大きさや長さを比べたり、仲間分けをしたりしました。
子どもたちは教科ごとに別々に学んでいるのではありません。
様々な活動を通して、一つの概念を何度も経験しながら、自分なりの理解を少しずつ深めています。

育っているのは知識だけではありません
この2か月で子どもたちが育んできたのは、知識だけではありません。
「どうしてだろう?」と問いをもつこと。
友達の考えに耳を傾けること。
自分の考えを言葉や作品で伝えること。
違う考えを受け止めること。
観察したことを記録し、比べ、試してみること。
そして、自分の学びを振り返り、次の問いへとつなげていくこと。
IB PYPでは、このような「学び方」そのもの を、生涯にわたって学び続けるための大切な力として育んでいます。
幼児期は、知識を増やすこと以上に、「どう学ぶか」の土台が育つ大切な時期です。
子どもたちは、自然や生き物との出会い、友達との対話、さまざまな教科での体験を通して、自分なりの考えをつくり、また新しい経験によって考えを広げています。
その一つひとつの経験が、「学ぶことは楽しい」という気持ちと、「自分で考えてみよう」という主体性を育てています。
後編では、このような探究の姿が、教室だけでなく園生活全体へどのように広がっているのかをご紹介します。

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