IB・PYPだより

【IB/PYPだより】vol.9 「問い」が学びをつくる ~後編~

前編では、6・7月ユニットを通して深まった探究と、「何を学んだか」ではなく「どのように学んだか」を大切にするPYPの考え方をご紹介しました。

今回は、その探究がユニットの時間だけではなく、園生活全体へどのように広がっているのかをご紹介します。

PYP Early Yearsでは、園生活そのものが学びの場であると考えています。日々の遊びや友達との関わり、行事の準備や地域・世界とのつながりなど、あらゆる経験が子どもたちの探究を支えています。

園生活そのものが探究の場になっています

探究はユニットの時間だけでは終わりません。

現在は夏祭りや運動会へ向けて、異年齢で活動する縦割り保育が始まっています。

年上の子どもが年下の子どもへ自然に声を掛ける。やり方を教える。困っていることに気付く。年下の子どもは憧れをもち、「やってみたい」と挑戦する。

このような姿は、大人の社会では当たり前に見られる人との関わりです。

幼児期からその経験を積み重ねることで、コミュニケーションスキルや社会性スキルが自然に育っています。

そこには、本園が大切にしている学習者像である「思いやりのある人(Caring)」「挑戦する人(Risk-taker)」の姿がたくさん見られます。

子どもたちが互いに関わり合いながら、自分たちで考え、支え合い、学び合う環境を大切にしています。

先生が役割を細かく決めるのではなく、子ども同士の関わりの中から自然に学びが生まれていくことも、PYP Early Yearsが大切にしている姿です。

世界は子どもたちのすぐそばにあります

今年度は、平和をテーマにしたキッズゲルニカの活動をきっかけに、子どもたちの探究は身近な世界からさらに広がっています。

その探究は、世界への関心へと広がっています。園内では、日本をはじめ、韓国、中国、フィリピン、タイなど、外国にルーツをもつ園児やご家族とつながりのある国々を紹介しています。

また、クラスで興味をもった国について調べたり、預かり保育ではワールドカップをきっかけに、国旗や文化を紹介する活動も行われています。

紹介された国を遊戯室前の世界地図で探したり、「ここにある!」と、自分から世界へ目を向ける姿が見られるようになりました。

国際理解とは、世界の知識を増やすことだけではありません。身近な人との出会いを通して、多様な文化や価値観に興味をもち、お互いを尊重する心を育むことも、大切な学びです。

子どもたちは、国旗や地図を「覚える」のではなく、人とのつながりや興味・関心を通して世界へ視野を広げています。

1学期を終えて

IBワールドスクールの仲間入りをしてから、あっという間に二つのユニットを終え、1学期の締めくくりを迎えました。

振り返ってみると、子どもたちは自分で問いをもち、友達と考えを伝え合い、「やってみたい」と行動する姿を日々たくさん見せてくれるようになりました。

また、クラス懇談では、ご家庭で続いた探究や、新たな発見についてのお話を伺う機会も多くありました。園で生まれた問いが家庭へとつながり、家庭での気付きが再び園での学びへとつながっていく。そのような学びの循環が少しずつ育まれていることを、大変うれしく感じています。

私たちも、一人ひとりの子どもの興味や問いを丁寧に見取りながら、「どのような環境が学びを深めるのだろう」「どのような問い掛けが次の探究につながるのだろう」と対話を重ね、子どもたちとともに学び続けています。

PYP Early Yearsでは、子どもも先生も、ともに学び続ける探究者です。

これからも認定こども園のぞみ幼稚園では、子どもたち、保護者の皆様、地域の皆様とともに、互いに学び合い、高め合う学習コミュニティを育んでまいります。